イスタンブール〜パリ一人旅 – イスタンブールからソフィアの寝台列車

イスタンブール〜パリ一人旅 – イスタンブールからソフィアの寝台列車

イスタンブール〜パリ一人旅 4~5日目の移動日。今回の旅程で初の国境越えです。最初の国境越えは、トルコ・イスタンブールからブルガリア・ソフィアまでの寝台列車での移動を紹介したいと思います。

※ 2019年6月現在での情報なので、見るタイミングによっては時刻表や料金などが変わっているかもしれません。

イスタンブールからソフィアの寝台列車 チケットはシルケジ駅で購入

これはイスタンブール滞在2日目に事前にシルケジ駅で購入しました。シルケジ駅には国際列車専用のチケットカウンターがあるので、「いつソフィアに行きたい」と伝えればなんとかしてくれます。

チケットは2人部屋か4人部屋かを選ぶシステム。今回は一人旅なので2人部屋のチケットを購入。223.4TLトルコリラ(日本円で約4,200円)でした。日本より全然安い、物価安バンザイ。

イスタンブールからソフィアの寝台列車 移動の様子を紹介します

ここからは、実際に寝台列車に乗ってイスタンブールからソフィアまでの一連を紹介していきます。

スタートはシルケジ駅からハルカリ駅までバスで移動

イスタンブールからソフィアに向かう寝台列車の出発駅はハルカリ駅という、イスタンブールの郊外にある駅です。そこまでなんとかしてたどり着く必要がありますが、シルケジ駅からハルカリ駅までの送迎バスがあるので、それに乗ればOKです。

チケット購入時に、駅員さんに当日、20時20分までにシルケジ駅にきて待つようにとお達しをもらいました。私は1時間以上前からその待っていましたが、20〜30分くらい前にシルケジ駅にいれば問題ないと思います。

バスは20時30分に出発する予定ですが、バスが到着したのが20時35分、バスがシルケジ駅を出発したのが、20時50分とか。この時点で15分遅れる海外クオリティ。日本と同じように考えないでくださいね。

シルケジ駅からハルカリ駅までのバス移動は快適です。高速道路を使ってぶっ飛ばしていきます(遅れてたかもしれませんが)。

高速道路で走る道中、私が見てきたイスタンブールではない、スーパー都会なビル群やショッピングモール、ホテル群を抜けていきました。

ハルカリ駅で寝台列車に乗車

バスはハルカリ駅に到着。そのままハルカリ駅の中に入ります。

改札はないのでそのままプラットフォームまで降りて大丈夫です。プラットフォームに降りると今回乗る寝台列車が待っていますので、チケットを持って乗り込みます。

チケットには、車両番号と座席番号が書いているので、それを元に部屋に入りましょう。乗務員さんに見せれば連れてってくれます。

ちなみに座席は、2人部屋の1人利用ではなく相部屋になる可能性が高いです。私もヨルダン出身の若い男性と一緒になりました。握手と自己紹介を交わして、ともにソフィアまで移動します。

車内設備はこんな感じです。


通路の横に、部屋が連なっている感じ。


背もたれを倒すと、ベッドになる仕組み。


上の段は倒せば、ベッドになる仕組み。


冷蔵庫と棚ががあるので、飲み物は冷やせます。

ハルカリ駅出発からトルコ出国

全員乗り込んだら、寝台列車はハルカリ駅をゆっくり出発します。乗り心地寝心地ですが、ガタガタ揺れることはなく、眠りやすいと思います。適度に揺れてくれるおかげで眠りに入りやすいかもしれません。むしろ停車する時、停車している時の方が目が覚めやすく、動いている電車が動いていないという不安に陥ります。

乗車して30分後くらいに、ドアをノックされてパスポートが回収されます。乗車と本人確認か何かをしているのだと思います。15分くらいしたらパスポートを戻しにまたやってきます。乗車してすぐに寝ていると、いきなり2回起こされた形になりますが、まだまだ続きます。国境越えする寝台列車の特長かもしれません。

パスポートが戻ってきてから再び眠りについて3時間後、またどでかい声の「Passport!,Passport!!」とノックで起こされます。時刻は2時すぎ。起こされるのは3回目です。今度は出国手続きを行うためです。カプクレ駅という駅に到着しました。

この駅がトルコ国境近くの駅で、一度電車を降りて出国審査を受けます。みんな眠そうでした。私が乗っている寝台列車の他にもうひとつの寝台列車が停車しており、それを同時に対応することになったので、相当時間がかかりました。

また金曜の夜出発でもあり、乗車人数もそれなりにいたので、時間がかかったみたいです。全員の出国審査が終わったのが1時間半後の3時半頃でした。

出国手続きが済んだから、次はブルガリアに入って最寄りの駅で入国審査だと思って出発を待っていたのですが、ここから1時間電車は動きません。

出国審査後に、ちゃんと出国したかどうかの確認でトルコ国境警察がパスポートチェックに入ります。もちろん「Passport!」付きです。4回目の起こされタイム。これも30分くらいかかって、カプクレ駅を出発したのが4時頃。

意味もわからず停車している間はなんとも言えない気持ちになりましたが、最終的にはソフィアに到着するんだし別にいいやと思ってました。相部屋のヨルダン人は早く動け!と眠りも妨げられているので少しイライラしている感じでした。

少し移動して入国審査

一旦、出国審査で目が覚めてしまったものの、また眠りに落ち流かなというところで電車は動き始めました。それからまた30分くらいで停車。そして大きな声で「Passport!」の目覚ましボイス。5回目です。おそらくブルガリア国境に一番近い、Svilengradという駅だと思います。

今度はブルガリア国境警察が全員のパスポートを回収していきます。私たちは外に出ることはありませんでした。でもずっと車内で待たされるよりかは外の空気を吸いたいという気持ちもありつつです。こちらも全員分のパスポートチェックして、スタンプ押してを人数分やるので、30分くらい待たされました。

そのあと「Passport!」の声はなく、ブルガリア国境警察の方が扉をあけてきて(何回も起こされる度に扉のロックが面倒なのでロックしなくなった結果)、6回目の起こされタイムと同時に、スタンプが押されたパスポートが返却。無事ブルガリアへ入国完了。すごくホッとしました。時刻は5時を回り、行程の半分なので、絶対定刻につかないとここで確信しました。

これ以降はソフィアまでの電車旅

このあと、パスポートチェックなどは一切なく、純粋に寝台列車の旅を楽しむことができます。細切れ睡眠だったのでここでようやくしっかり眠ることができました。この時期夏至過ぎで日の出が早く5時過ぎには明るくなっていますが、しっかり寝ておきましょう。

目が覚めたのが8時過ぎ。電車はソフィアとブルガリア国境の駅の半分くらいのところにいました。寝台列車、奇跡の爆走をみせて、もうすぐソフィア到着か!というわけはなく、ゆったりとしたペースでたまに駅に停車しながら、ソフィアに少しずつ進んでいく感じです。先を急がない旅ならこれくらいのんびりしていてもいいですね。

車窓は田園風景が広がり続けます。結構山間を縫うように走る寝台列車、高速で移動できないというのもあるとおもいますが、広大な田園風景の中を進んでいきます。北海道っぽいです。

ようやくソフィア到着

山間を抜けると、徐々に街らしくなってきます。ソフィアに近づいている証拠です。最初は真っ暗闇の中を走っていたのでなんのこっちゃでしたが、明るくなり、建物が見えてきてキリル文字と白・緑・赤の国旗がはためいているのを見ているとブルガリアにいるんだなということが実感できるようになりました。

身支度を整えつつ、のんびり進んできた寝台列車がソフィア中央駅に到着。時刻は11時半になろうかというところ。

チケットの出発と到着時刻では21時40分に出発し翌8時38分到着予定だったのが、実際は22時過ぎに出発し翌11時半の到着となりました。予定より約2時間半遅れ。乗車時間13時間半の長い長い寝台列車の移動となりました。

実は初めての寝台列車でした

今回、イスタンブールからパリに向かうまでの行程ではLCCといった空路は使わず、バスや電車での移動を中心に考えていて、その中でも最初のトルコからブルガリアは、寝台列車で国境越えの経験をすると決めていました。それを叶えることができたのはすごく嬉しいです。

そして私自身、日本国内でも寝台列車に乗車したことがなく、初めての寝台列車がこのイスタンブールからソフィアに向かう国際寝台列車ということになりました。

日本国内でも寝台列車は遅れがちなのは知っていたのと、海外の電車が予定通り運行するはずがないという気持ちを持って、寝台列車に乗り込めば、そこには新しい発見と貴重な経験がありました。

13時間半の乗車で、おかげさまで体は疲れていますが、1泊2日のソフィア滞在もまだまだ楽しんでいきたいと思います。